ノビタスネオの逆襲(1)

僕の名前は末田伸夫「スエタノブオ」だ。この名前で何かを感じた人は察しが早いかもしれない。あだ名はご想像にもれずノビタスネオだ。名前の雰囲気だけで付けられたあだ名だが、なるほど感もある。だが僕は、丸いメガネをかけている訳でもないし、家はお金持ちとは程遠い中流家庭だ。更に言うならザマス母ちゃんがいるわけでもない、言わば只の平凡なデブだ。どちらかと言うとジャイアンと云うあだ名がついてもいいと思うのだが、僕にはジャイアン程の腕力も無ければ、人前に立ち大声で歌う勇気もない。アニメとの違いは山ほどあるが、決定的な違いは僕の人生のストーリーには、誰ひとりとして「良い人キャラ」が登場しない事だ。簡単に言えば、僕は物心ついたあたりから既に苛められている。周りに居る子供は全て敵だった。太っている所為なのは解っているが、今は苛められ続けた所為で陰気なデブになってしまい、更に苛めが酷くなってきている。僕にとって人の靴底は地面を蹴るものではなく、舐めるものだ。何度人の靴底を舐めたか覚えていない程舐めてきた。僕のお金も僕のものではなく、誰かがジュースやお菓子を買い、遊ぶ為のものだ。言うならば、僕の父親はそいつらの為にせっせと働き僕に小遣いをくれていると云う事になる。僕の髪の毛も僕のものではない。髪型をどんな風にしようかなんて、考えた事もない。僕の髪はいつもパリカンで刈られ、バカとかデブ、または恥ずかしいマークが入れられる。恥ずかしいマークは天気予報の晴れに似ているが、その差は歴然としている。着ている服はサイズが合わないらしく辛うじて僕の物のようだが、たまにサイズが合う奴に出合うと新しく買って貰ったばかりの服は自動的にそいつの物となる。裸にされた僕にはマジックの服が代わりに与えられるのだ。裸の身体に、直にワイシャツとネクタイを書き込まれ、背中には例のマークが大きく書かれる事になる。仕方がないのかもしれない、と僕は諦める。何故なら僕は小学5年にして、体重が既に100kgを超えていたのだから。